前回、NLP の生い立ちから今に至るまでの歴史を見ながら、NLP の目指してきたものについて追いかけてみました。ここでは、では、その目指したものの結果として、何が出来るのか、ということを確認したいと思います。
NLP の当初の目的
もともと天才セラピストたちの成功体験をモデリングしてきたことから、開発された当初はセラピーに限定されて使われることを意図されていました。それは当然といえば当然ですよね。成功体験を天才ではない普通の人たちに移植できることで、セラピーの現場で見ればそれだけでも十分な効果だったと思います。
実際、今も NLPを取り入れたメンタルヘルスケアを行うケースは多く見られますし、それを期待して NLP を学ぶ人も増えているのも事実です。
NLP の使い方の広がり
でも、もともと考えや思い入れを入れないでモデリングし、プロセスであることに徹底してきたことから、その対象範囲が成功したいと望む人の多いフィールド、例えばビジネスやスポーツ、芸術などに裾野を広げてきました。
よく紹介される実例
80年代後半に若くして人気と実力を博していたアメリカのテニス・プレーヤー、アンドレ・アガシ選手が 90年代に入って全く勝てなくなったところを、世界No1 のコーチとして有名なアンソニー・ロビンズが NLP を使ったコーチングを行ったことで全米チャンピオンに返り咲いたことが挙げられます。
また、日本で自己啓発の世界で有名なところでは、「7つの習慣」を日本に紹介し、また「成功の9ステップ」を自ら著した、ジェームズ・スキナー氏や、スポーツの分野のトップ選手のメンタル・トレーナーとして有名な高橋慶治氏も、NLP を取り入れていることはよく知られています。
まとめ
このように、広い意味で、
- 自己のためでも他人のためのいずれのケースにおいても、また、
- いかなる分野においても
なりたい自分になるためにコーチングし、また、精神的なケアをしながらガイドする、というツールとして NLP が使われてきているというのがわかっていただけたかと思います。
次に、NLP がそのモデル化するプロセスを構築するにあたって基礎となる考え方について見ていこうと思います。