
目は口ほどにものをいう、という通り、あなたが何で考えているかを教えてくれます。
目は口ほどに物をいう、と言いますが、私たちは相手の視線から案外多くの相手のことを読み取ることを普段からしています。こちらに気を向けているのか、他に気を取られているのか、だけでも十分かもしれませんが、それ以上のことがわかると、相手の考えるパターンに沿った話し方を選ぶことができて、より深いレベルでのコミュニケーションを図ることができる、と言ったら、どうでしょう。
代表モデルで相手が五感の何を最初に使って話のイメージを作るか、という話をしましたが、その時に相手に質問した回答から読み取る話もしました。
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アイ・アクセシング・キューとは
人が何か風景や音、味や感触などをイメージするとき、当然脳のどこかでそのイメージを作り出します。その時に不思議と眼球も動くのです。その位置から、未来をイメージするのか、過去の記憶から引き出しているのか、風景をイメージするのか、音なのか、それとも感覚なのか、が見えてくるのです。大きく言えば
- 上を見る:上を見る時には風景や色、目で見た情景などを想像している、とされています。
- 水平を見る:水平の視線の時には、音楽は聞いた言葉、などの音を想像している、とされています。
- 下を見る:下を見る時には、重さや触覚といった感覚や自分の中の感情、気持ちを想像している、とされています。
- 右を見る(あなたから見た時には左を見る):右を見る時には、これから起きるもの、体験したことのないもの、について想像している、とされています。
- 左を見る(あなたから見た時には右を見る):左を見る時には、過去の記憶から辿った風景や音、感情にアクセスしている、とされています。
これらを組み合わせると、一般的にはこういうルールになる、と覚えておくといいでしょう。(以下は本人から見て、とします。)
左上を見る(あなたから見て右上)
本人にとって、左上を見ることは、「過去」の「風景」の「記憶」にアクセスしている、という意味です。過去の出来事や体験した時の風景や色などの情報を引き出そうとしています。
真左を見る(あなたから見て真右)
本人にとって、真左を見ることは、「過去」の「音」の「記憶」にアクセスしている、という意味です。過去の出来事や体験した時の音や、会話の内容などの情報を引き出そうとしています。
左下を見る(あなたから見て右下)
本人にとって、左下を見ることは、「過去」の「自分の感情」の「記憶」にアクセスしている、という意味です。過去の出来事や体験した時の自分の感じた感情などの情報を引き出そうとしています。また、この時には独り言を言うことで経験に基づいた自分との対話をしている時にも左下を見ます。
右上を見る(あなたから見て左上)
本人にとって右上を見ることは、「未来」の「風景」を想像している、という意味です。時にはこれを架空の想像をする時にも同じ動きになりますので、「嘘をつく時には右上を見ている」ということもありますが、これから何を食べよう、という時も当然同じように「右上」を見ながら、誰と食べるかを隠す時も右上を見ますので、必ずしも右上を見ることは嘘をついている、ということではないのです。
真右を見る(あなたから見て真左)
本人にとって真右を見ることは、「未来」の「音」を想像している、という意味です。聞いたことのない音に対するイメージを働かせて右耳に意識が集中している、ということです。また、あなたからの発言について予想をしている場合も当然ここに当てはまります。
右下を見る(あなたから見て左下)
本人にとって右下を見る時は、上記の二つと異なり、未来というよりは、この瞬間に無意識で感じている体の感覚やその変化に意識が向いている時です。ある意味4Tiに意識が向いている時、とも言えるかもしれません。
眼球運動から読み取る相手の思考パターン
代表モデルの時にも、相手に過去を振り返るような質問や将来を想像するような質問を視覚や聴覚を想起させるように質問をして、その反応から思考パターンを読み取ることのお話をしましたが、それと同時に相手の眼球の向かう位置も合わせてみることで、思考パターンの最初に視覚なのか、聴覚なのか、感覚なのかを読み取ることが可能になります。そこから読み取った相手の最初の感覚器を軸に会話を組み立てることで、より噛み合ったコミュニケーションを取れるようになるのです。
一つだけ注意
実は、上記は統計学的に言われていること、でもあります。一般的には上記は右利きの人を前提に書かれています。左利きの人の場合、左右が入れ替わる、とされています。また、右利きであっても反対の人もいますし、左利きでも上記が当てはまる人がいるので、自分の掛けた言葉から想定される回答と、その際の相手の眼球の位置、そして言葉から組み合わせて判断していくことが大事です。